2018年7月6日金曜日

木部の白木仕上げについて


 灰汁洗い前の写真です。長年のヤニや黒ずみ、カビ、コケの発生が見られます。
この灰汁洗いが出来る職人さんは現在あまり見られなくなりました。
大変気の使う作業で、知識と経験が求められる作業です。


 紫外線などによって柱の
表面は焼けてくすんでいます。

専用の薬品をむらなく塗布していくと、中から灰汁が浮き上がってきます。
手前が一度目の洗浄後です。
これを何度も繰り返して行きますが、部分部分によって薬品の調合を変えて塗布しなければなりません。
これには長い経験が必要になります。


灰汁洗いを3度繰り返した部分です。






灰汁洗いを8度ほど繰り返すと元々の風合いが戻ってきました。





このまま木材の保護塗装で仕上げると新築当初の美しい柱に仕上がります。
今回はお客様のご要望によって古木調に仕上げていきます。




木材の保護塗料を調色してエイジングを施し専用のクリアーを3度塗り重ねました。

柱も落ち着いた風合いに仕上がります。






完成です。
今回は木部の白木仕上げについての施工写真を掲載しました。
一般のお客様はこうした木部がこのように綺麗に戻ることをあまり
知りません。
 また、簡単に塗りつぶしてしまう業者さんもおります。
然し、良いものは良いものとしてその風合いを生かしたまま残してあげられたらと私たちは考えております。