2018年9月4日火曜日

コーキングの劣化が下地に及ぼす問題と外壁下地の構造について

今回は外壁コーキングの劣化が及ぼす問題と下地の構造についてご紹介したいと思います。
サイディングと言われる外壁材は何枚ものボードをつなぎ合わせて取り付けられています。
 窯業系、金属製など近年では様々なサイディング材がありますが、下地の施工によっては大切なおうちにとって重大な問題を引き起こす場合があります。
 
サイディングつなぎ目コーキングの劣化状況です。


外壁のコーキングの劣化部分から侵入した雨水や内部に滞留する湿気は下地の木材を腐食させていきます。
ここまで腐食が進むと下地自体を新しく交換する必要があり、高額な工事となってしまいます。
通常サイディングなど外壁下地のすぐ下には胴縁という木材があり、その上にサイディングなどの外壁材を施工します。
胴縁はサイディングの間に通気層を作るためにもありますがこのケースでは通気層が十分でなく、
クラックやコーキングの劣化部分から侵入した雨などによって下地の木材を腐食させたものです。
また、このケースでは透湿シートではなく、屋根用のルーフィングシートが貼られているため、
外壁内部に滞留する湿気を逃がす構造となっていないので腐食がここまで進んだものと考えられます、

このケースはベランダ防水層から侵入した水によって下地木材を腐食させたものです。
白く見えるのが透湿防水シートです。
その上に縦に流れている木材が胴縁と言われる木材です、
その胴縁の上に仕上げ材のサイディングを施工していきます。
この胴縁と外壁材の1センチほどの空洞が通気層となって内部に滞留する湿気や、侵入した水などを逃がす
ための非常に大切な役目を果たしています。

これが本来の外壁下地の構造です。
私たちはお客様から外壁の塗装などについてお問い合わせがあった場合、現地調査を
実施します。
 調査ではお客様のお家の状態がどのようなものかを細かく入念に行います。
例えば、塗装では表面上綺麗にすることはどの業者様でも可能だと思いますが
私たちはお客様からの信頼をいただいて工事を担当させていただくのです。
 工事の目的はお客様のイメージを形にしていくこと以上に、大切なお家を
より長く守るということにあると考えています。
 この目的のためにはお客様のお家の状態を細かく調査し隠れてしまう部分にどのような問題があり、そうした問題を解消するためにどのような施工が必要かを専門的な見地からご提案するかが、ご依頼いただいた私たちの最低限の責任と考えています。
 今日は建築物の構造についてあれこれ調べていましたが、業者としての責任とは何かを
改めて考えてみました。